院進予定から就職に変更B4

進路変更。大学院に合格しておきながら就活中。

ベクトル空間

キーワード

ベクトル空間/部分空間/生成元/部分空間の次元/部分空間の基底/ベクトル空間の核/解空間/和空間/交空間

 

<ベクトル空間>

空でない集合Vが和と係数倍について閉じていて、(任意のu,v,w∈V, 任意の係数a∈R)に対し次の条件を満たすとき、Vを線型空間ベクトル空間)という。

  1. u+v = v+u(交換法則)
  2. (u+v)+w = u+(v+w)(結合法則
  3. u+0 = 0+uとなるベクトル0が存在する
  4. a(bu) = (ab)u
  5. (a+b)u = au+bu
  6. a(u+v) = au+av
  7. 1u = u
  8. 0u = 0

集合Vの任意の元u,vにおいて、その和がまたVの元になるとき「Vは和について閉じている」という。同様に、任意の係数aにおいて係数倍がまたVの元になるとき「Vは係数倍について閉じている」という。

 

<n個のベクトルの線形独立性の確認法>

  1. ベクトルを並べた行列Aに行基本変形を行い、rankA = n のとき線形独立
  2. ui ∈ R^nのとき、行列式≠0なら線形独立

 

<部分空間>

R^nのベクトルの組{a1, ..., ak}に対し、これらの線形結合の全体Wを

{a1, ..., ak}(生成元)で張られるR^nの部分空間という。

rank(a1, ..., ak) = l ≤ k のときlをWの次元といい、dimWと表す。a1, ..., akの中の線形独立なl個のベクトルをWの基底という。すなわち、Wの元で線形独立となるようなベクトルの最大個数lをWの次元という。

Wの基底と次元は行列[a1 a1 ... ak]に行基本変形をすることでもとまる。

まとめると、

部分空間Wにおいて、

dimW = a1,..., akの線形独立なベクトルの最大個数= rank(a1, ..., ak)

 

<核>

線形写像の行列をAとし、

Ax=0となるようなx∈R^kの全体を「Aの」という。

Aを表現行列とする連立方程式Ax=0の解の全体と一致するので解空間ともいい、

KerA = K[a1, a1, ..., ak]で表す。解空間はR^kの部分空間となっている。

解空間の基底はAに対する行基本変形で求められる。

解空間の次元は dimK[a1, ..., ak] = k - rankA

基底を求めてからその個数でもよい。

 

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例題

 

 

<和空間>

V = L[a1, ..., an]

W = L[b1, ..., bk]

の和空間 V+W の元は c = a + b で表され、

V+W = L[a1, a2, ..., an, b1, b2, ..., bk]

 

dim(V+W) = rank[a1, a2, ..., an, b1, b2, ..., bk]

線形独立なベクトルを選ぶことでV+Wの基底を求められる。

 

<交空間(共通部分空間)>

V ∩ W の元cは

c ∈ V = {s1a1 + s2a2 + ... + snan | s1, ..., sn ∈ R}

c ∈ W = {t1b1 + t2b2 + ... + tkbk | t1, ..., tk ∈ R}

を満たす。つまり交空間はV + Wの解空間。

 

dim(V ∩ W) = dim V + dim W - dim(V+W)

 

交空間の基底は、和空間の解空間の基底に一致する。

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和空間・交空間の次元と基底の例題